AIによるコード生成は安全?危険? 活用方法とリスクを深掘りしてみた

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AI技術の進化に伴い「コーディング作業の一部をAIに」という時代になってきました。Webサイトの開発や運営をしているお客さまとの会話にもAIの話題が出ることも増えてきましたし、少し調べただけでも、あらゆるコード生成AIを見つけることができますね。 

さて、そんなコード生成AIについて調べていくと、その説明の中に多く書かれている言葉があります。

「プログラミング作業を支援」「手動でコードを書く時間を大幅に短縮」

コード生成AIの現状は「コーディング作業の一部をAIにお願いすることで開発者の助けにはなるけれど、現段階ではコーディング作業は完全に人の手を離れない」というものです。(偉そうに書きましたが、基本のキですね……) 

AIを活用することでどんなふうに開発者の助けになるのか(メリット)、そして完全に人の手を離れないその理由とは何か(リスク)。この辺りをいま一度きちんと整理しておいた方が良さそうですね。

というわけで、この記事ではコード生成AIのメリット、そして、知っておくべきリスクと対策について深掘りしていきたいと思います!
 

コード生成AIを活用するメリット 

まずは、AIを使ったコード生成のメリットを整理しておきたいと思います。 

効率の向上 

簡単なコードや反復作業をAIに任せることで、開発者は複雑なロジックやクリエイティブな部分に集中できます。 

迅速なプロトタイピング

アイデアをすばやくコードに変換できるので、プロトタイピングが加速します。まずはカタチにして、さまざまな検証を行えることは大きなメリットになりますね! 

学習支援

コーディング初心者にとって、コード生成AIは学習の一助となります。実際に私も使ってみましたが、簡単なコーディングを学ぶのにはかなりの効率化が図れそうですね! 

しかし、これらのメリットの裏側には、リスクが潜んでいることも忘れてはいけないんです。コード生成AIを有効活用していくために、リスク面についても知っておく必要があります。 

AIによって生成されたコードは安全なのか? そのリスクを知る 

AIによって生成されたコードは安全なのか、AIにどこまで任せられるのか、気になるところです。 結論としては、AIは膨大な量のデータセットから学習し、それに基づいてコードが生成されるため、そこにリスクが潜んでいます。 


例えば、以下のようなリスクが考えられます。 

セキュリティ知識の不足による脆弱性の混入 

AIは、セキュリティに関する専門知識を完全に理解しているわけではなく、学習データに含まれる脆弱性をそのままコードに反映してしまう可能性があります。生成されたコードは必ずしもセキュリティのベストプラクティスに従ったものとは限りません。

SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、基本的な脆弱性を含んだコードが生成される可能性も含んでいます。 

また、意図せずに脆弱性につながるプロンプトを与えてしまった場合も、AIが自動的にその脆弱性を除去することは難しい部分です。 

意図しない動作を引き起こす可能性

AIは、プロンプトを通して指示する内容を100%理解できないため、生成するコードが必ずしも開発者の意図のとおりに動作するとは限りません。また、その意図しない動作が脆弱性につながる可能性もあります。 

エラー処理の欠如

生成されたコードには適切なエラーハンドリングが組み込まれていない場合があります。これにより、予期しない入力やエッジケース(極端なパラメーターや動作環境などによって、ごくまれに発生する可能性がある不具合)が発生した場合に脆弱性が生じる可能性もあります。 

動作上の問題もありますが、やはりセキュリティに関わるリスクは、人手によって回避していく必要がありそうですね。 

AIによって生成されたコードを安全に活用するために

リスクを理解し、AIによって生成されたコードを安全に活用するためのポイントを整理してみました。 

人間による厳密なレビューとテスト 

AIが生成したコードは、必ず人間が詳細にレビューし、セキュリティ上の問題がないかを確認する必要があります。また、AIで生成されたコードは、生成後に十分なテストを行わないと、潜在的な問題が見逃される可能性があります。 

セキュリティのベストプラクティスへの準拠 

コーディング規約やセキュリティガイドラインに沿ってコードを作成し、一般的な脆弱性を防ぎます。IPAから出されている安全なウェブサイトの作り方( https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/about.html )やOWASP(Open Worldwide Application Security Project)Top 10で挙げられている脆弱性リスト(https://owasp.org/Top10/ja)などを参考にしてください。 

セキュリティスキャンの実施 

静的解析ツールや動的解析ツールを用いて、生成されたコードに脆弱性がないか徹底的にスキャンします。 各社から提供されている脆弱性診断サービスの活用もおすすめです。 

継続的な監視 

生成されたコードだけに限った話ではありませんが、システムの稼働が始まった後も、定期的にファイアウォールなどのログや、サーバー上のセキュリティ対策のデータを可視化して把握するといったセキュリティ監視を行い、新たな脆弱性の発生を早期に検知していくことも必要です。 

信頼できるAIモデルの利用 

セキュリティに特化した学習データで訓練されたAIモデルを利用することで、生成されるコードの品質を向上させることも可能になります。 

セキュリティトレーニング 

開発チームがセキュリティに関する知識を持つことは不可欠です。プロンプトの作成にも一定の知識は必要になりますし、生成されたコードを使用する際にも、開発者がセキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。 

AIに頼りきるのではなく、AIを有効活用するためにどうするのかという視点がとても大切なのですね!

これまでにやっていたことももちろんですし、AIという特性上起こりうる、著作権やライセンス、倫理的・法的リスクなどへの対応も検討しておく必要がありそうです。 

 
まとめ 

コード生成AIは、開発効率を向上させる強力なツールです。 


今回この記事を書くに当たってコード生成AIを使ってみましたが、若かりし頃に取り組んだプログラミング演習の課題は瞬殺でした……。当時は手探りでそれなりに苦労した記憶が頭をよぎります。学び方も変わっていくのだろうなと、技術の進歩を感じつつ……。 

一方で、AIによって生成されたコードには、リスクが伴うことも忘れてはいけないですね!  コード生成AIの有効な活用方法として、生成されたコードは必ず人間によるレビューを行い、脆弱性がないかを確認することが必要です。また、ライセンスの確認やセキュリティのベストプラクティスを順守することも欠かせません。しっかり対策をして有効に使ってこその生成AIです! 

そして、AIを活用して開発したものもそうじゃないものも、Webアプリケーションの安全性を確認するためには、ぜひハイブリッドWebセキュリティ診断「ABURIDA®️」をご検討ください。リリース前はもちろん、リリース後の定期診断も踏まえたプランニングとお見積もりもさせていただきます。お見積もりに必要な事前診断は無料で対応させていただきます。お気軽にお問い合わせください!

ライター/ふぁんふぁん

愛犬をめで、楽器と戯れ、おいしいものにかぶりつく日常を送りつつ、信興テクノミストのハイブリッドWebセキュリティ診断「ABURIDA®️」のカスタマーサポートとして縁の下の力持ちになるべく修行中。

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